軽井沢の澄んだ空気の中、ゆらめく炎と静かに赤く灯る熾火。
MAKIBIのお料理は、すべて薪火で丁寧に仕上げております。
薪火は、単なる調理方法ではありません。
それは、素材の魅力を最大限に引き出すための、最も原始的で、そして最も贅沢な技法です。
勢いよく立ち上がる炎の力強さ。
やがて炎が落ち着き、赤く美しく輝く熾火へと変わる時間。
その熾火から放たれる遠赤外線は、食材の内部までゆっくりと熱を届け、旨みを閉じ込めながら、しっとりとした理想的な焼き上がりへ導きます。
表面は香ばしく、内側は驚くほどジューシーに。
この絶妙なコントラストこそが、薪火料理の真髄です。
さらに、薪そのものが持つ水分は、自然なスチーム効果をもたらします。
過度に乾燥させることなく、素材の水分を保ちながら火を入れることで、肉はより柔らかく、野菜は甘みを深め、魚介はふっくらと仕上がります。
薪がはぜる音、ほのかに漂う芳ばしい香り。
その香りは、料理に繊細なニュアンスを与えるだけでなく、空間そのものを豊かに包み込みます。
私たちは、火との対話を大切にしています。
その日の気温や湿度、薪の状態によって火加減は微妙に変わります。
同じ食材であっても、まったく同じ焼き上がりは二度とありません。
だからこそ、料理人は炎を見つめ、熾火の色を読み、静かに火と向き合い続けます。
それは効率とは対極にある、手間と時間を惜しまない調理法。
しかし、そのひと皿に込められる深い味わいは、何ものにも代えがたい価値を生み出します。
軽井沢という土地の自然と響き合いながら、
薪火が描く、力強くも繊細な味わい。
どうぞ、炎と熾火が織りなす特別な時間を、
MAKIBIでゆっくりとお楽しみくださいませ。

